辞任届けが回収できなければ登記も出来ません。
解任扱いにしてしまうと、会社側にとっては登記にキズがつきますし、辞めた本人にしてもデメリットになることがあったりするかもしれません。
当人達が「解任でいい!!」と言い張っていても、それを極力回避するのが登記を担当する人のお仕事ではないかと思います。
さて、で、そんなときに少しは回収がラクになるかも知れないというちょっとしたテクニックを。
まず、就任届けが「議事録の記載を援用する」ことが出来るのはご存知かと思いますが、辞任届けについても同じだったりします。
辞任届けとしては回収しづらくとも議事録だと少しは回収し易くなるかと思います。
記載例はこんな感じでしょうか。
報告事項、その他
第X号議案 取締役●辞任の件
議長は、取締役●より平成22年4月30日をもって当会社の取締役を辞したい旨の意を受けたことを報告した。かかる報告を受け出席取締役一同慎重に審議した結果、取締役●の辞任を承認した。
これにより取締役●は平成22年4月30日付で当会社の取締役を辞任することとなった。
もちろん辞任は取締役会の決議事項ではありませんが、後々のトラブルの可能性を摘んでおく為に、反対者がいなかったことを記載して押印をいただいてしまうのが良いかと思います。
最低限として必要なのは、取締役会が適法に成立していて、辞任することが記載されていて、辞任する役員の印鑑があることです。
本人に辞めさせられたという思いが強く、そのことを記載しないとイヤだと言う場合は、こんなふうに配慮してあげると良いかも知れません。
報告事項、その他
第X号議案 取締役●の辞任の件
議長は、取締役●について、▲の事由により当会社の取締役を辞任すべきである旨の提案をした。かかる提案を受け、取締役●は平成22年4月30日をもって当会社の取締役を辞任する意を表した。
当該辞意の表明につき、出席取締役一同慎重に審議した結果、取締役●の辞任を承認した。
これにより取締役●は平成22年4月30日付で当会社の取締役を辞任することとなった。
一応、どちらも登記申請をして、「解任」ではなく「辞任」として無事登記されていますので、ご安心してお試しください。